ストッキングの変遷
「戦後、強くなったのは靴下と女」注1 というフレーズが、盛んに言われた時代がある。
ナイロンストッキングという画期的な発明によるものだった。
記憶をたどって、ストッキングなる物の変遷がどうであったか書いてみたい。
長靴下
子どもの頃、冬になると、腿のところまである長靴下というものを履いていた。
もっとも、子どもは冬でも粉の噴いた足を丸出しにして、平気で遊んでいたことも多かったが。
その頃の長靴下は、ベージュ色の木綿でできていた。
伸縮自在ではなく、あまり暖かくなく、すぐに穴が開いてしまった。
ウーリーナイロン
小学4年生ぐらいになると、ウーリーナイロンという素材のものが現れた。
これの肌触りは、現在のパンストとあまり変わらないと記憶している。
ただし、パンティーの部分はなかった。
木綿のものに比べると、伸縮自在で暖かかった。
木綿にしてもウーリーナイロンにしても、パンティーはついてないので、靴下留めというもので留める必要があった。
それはゴム製のバンドのようなもので、腿の上の方で留めていた。
中学では、黒い長靴下を履いている人もいたが、私は普通のソックスだった。
シーム
高校生のときは、寒いと大人のストッキングを履いて、その上からソックスを履くことが流行った。
まだこのころは後ろに筋(縫い目、シーム)があり、それがソックスの上辺から伸びて見え、なんか野暮ったかった。
やがてシームレスというものが出回るようになり、後ろの筋はなくなった。
ナイロンストッキング
大人はどうかと言うと、透き通っていて絹のような風合いのナイロンストッキングが主流だった。
どうやって留めるかと言うと、ガーターというものをウエストにつけて、サスペンダーのように吊っていたのだ。
私も大学生のとき、ガーターでストッキングを吊っていた。
今考えると、よくあんな面倒くさいものをしていたものだなあと思う。
パンティーストッキング
やがてパンティーストッキングという画期的なものが現れ、専らこれを履くようになった。
そのうち、タイツとかスパッツ、最近ではレギンスというものが普通になり、カラフルになってきた。
シルキーなものは、ドレスアップしたときだけだ。
思い返してみると、
ブリキのバケツがポリバケツに変わり、経木で包んでいた魚は発泡スチロールのトレイに載せられるようになった。
衣類も、木綿やウールだけでなく、ポリエステルとかナイロンが使われるようになるなど、
日常生活の様々なものに化学物質 注2 が利用されるようになった。
自分はその変わり目のところに立ち会ってきたのだなあ、と感慨深い。
注1 朝日新聞の記者であった門田勲氏が、紙面にて紹介した言葉。「愛媛県のミカン山で農協職員がふと語った」とのこと。氏の著書「古い手帖」に紹介の経緯が記されている。
「レファレンス協同データベース」より
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000085065
注2 経済産業省「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)第2条第1項「『化学物質』とは、元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物(放射性物質及び次に掲げる物を除く。)をいう。」による。
コメント
こんにちは。
懐かしい話題を読みながら「良く覚えていらっしゃる」と感心しながら
読ませて頂いてます。
後ろの筋は曲がってないようにいつも気にしてました。又、友人にも
そっと「曲がってるわよ」と教え合ってました。
筋と高いハイヒールが憧れでした(あっ!ヒールが高いからハイヒール?)
伝染(伝線)が多いので1本何円で修理してるれる商売もありましたね。
あまりにも強くなって蓮舫議員みたいに捨て時がわかりません。
今はしみチョロ・肩チョロ・谷間チョロ…何をしても可笑しくない時代は
楽しくてもう少し生きて見ていたいです。
過去はすっかり忘れた私でした。
お身体を大切にね。
追伸
2021年05月06日
「他人の丹精した花に癒されながら自粛生活を乗り越えるわ」
私のブログをチョッピリ見て下さいな。
内緒の話ですが、私は5年間造花のさぼてんを育てていました。
アップした写真を見た方が「造花では?」と知らせてくれて
自分の不甲斐なさ・見る目の無さにショックを受けました。
娘さんには気の毒でしたが間違えますよね~
夢 みるこ さま
お久しぶりです。
私のブログを見守っていただき、今回も紹介までしていただいて、
ほんとうに嬉しいです。
たしかにおっしゃるとおり、あの頃のストッキングは伝線も大きなテーマでしたね。
そういえば伝線を止めるために、ご飯粒をつけたことがありましたっけ。
「他人の丹精した花に癒されながら自粛生活を乗り越えるわ」
なんて美しいんでしょう!
そして、みるこさまのお玄関のお花の素晴らしいこと。
10年ほど前に、イギリスの友人を訪ねてコッツウォルズを散策したときを思い出しました。
ここまでにするのは、一朝一夕ではとても不可能です。
このようにするのが私の永遠の憧れなんですけど・・・とてもとても。
そして、うちのサボテンちゃんと同じのをみつけて感激!
蕾がたくさんついてますね。
うちのはしばらく植え替えをしていなかったので、弱っていたようです。
先日、植え替えを実行。ちょっと元気になったみたいです。
コメントをいただくと、とても励みになります。
ありがとうございました🙂