第72話 自分のキャラを変えようと思った

Woman in shock思春期

 思春期と言えば、自分のことを意識し始めるときだ。

自分の容姿が気になったり、人からどう思われているかが気になったり。
   

私はどちらかと言うと、人からどう思われているかということに無頓着むとんちゃく(本来は「むとんじゃく」)で、ただ自分の思ったことをそのまま言う子どもだった。

   

 中学校の校外学習で、2泊ほどの旅行に行ったことがある。

その晩、何人かのグループでおしゃべりしていた時、友だちが「これからお互いの長所と短所を言い合おう」と提案した。

友だちに対してそういう見方をしていなかったので、ちょっと困ったが同意した。

   

 私が言われる番になり、「あなたは人が言われたらいやだと思うことをどうして言うの?」と半ば責められた。人の欠点を平気で指摘するというのだ。

驚いた。

そんなこと言ったっけ? まるで身に覚えがないことだった。
   

しかし、そこにいたほとんどの友だちが「そうだ、そうだ」と言わんばかりに同調した。

ショックだった。そんなふうに思われていたのか。

   

 思い当たることが一つある。

ある友だちから「あなたに音痴って言われてから、私は歌を歌わなくなったのよ」と言われたことがあるのだ。
   

私は音程にとても敏感で、少しでも音程がずれていると指摘しないではいられない。

たぶん、友だちが歌っているときに「音が外れてる」と言ったのだろう。

それが友だちを傷つけているということに、思いが至っていなかった。単に正しいことを言ったという気持ちだったんだろう。
   

そういう特徴が、みんなから嫌われていることに初めて気づかされ、かなり落ち込んだ。

    

 どの発言が友だちを傷つけているのか、よくわからなかった。

そこで決心をした。

「これからは、なにか思っても言わないようにしよう」と。

   

もうすぐ高校だから、高校に行ったら今までと友だちが変わるし、そうしたら、「徹底的に人の話を聞くだけにして、自分からは意見を言わないようにしよう、そしてできるだけニコニコしていよう」と。
   

ほほえむ女性

   
 こうやってキャラを変えてみた。生意気なまいきな感じを与えないように努力した。

すると不思議なことに、いい人と言われるようになった。

   

 しかし、いまだに自分の言いたいことをすぐ言ってしまうくせが抜けたとは言えない。ちょくちょく後悔する。

なんであの時あんなことを言ってしまったんだろうと。

      

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