第58話 冬のにおい

leapfrog学童期(東京編)

昭和の遊び

季節ごとに流行りがあった

 冬、外に出て住宅の生け垣の横を通りながら「あ、これは冬のにおい」と懐かしさがこみ上げるにおいがある。

言葉にすることはできないが、冬の冷気のにおいなのか。

冬のにおいは、冬の遊びを思い起こさせる。

   

 冬は、石けりやゴム跳びが流行った。

小学校の頃の遊びは、シーズンごとに流行りがあって、その波が来れば、ほとんど学校中の子どもたちがそれをする。

誰かがある遊びを始めると、他の子どもたちもそれをするようになり、それがどんどん広まって、みんなが同じものをすることになるのだ。

寒いのに、スカートのすそをパンツに挟んで遊んだ。

   

 石けりにちょうどいい石というものを、校舎のまわりを歩き回りながら探したものだ。

平たくて大きさがちょうどいいもの、投げた時に少し滑りながら目標の場所で止まってくれる石、そういうのが見つかると大切に保管した。

   

ゴム跳び

 ゴム跳びは、走高跳のバーがゴムになったような遊びだ。

ゴムの片方を鬼が持ち、片方は木に結んだりした。鬼が跳び方を命令する。

私たちの地域には、三種類の跳び方があった。

それを言葉で説明するのは難しいが、ざっくり書いてみる。
   

ゴム跳び

   
おうだん(または男跳び):走ってきて、体をゴムと平行にして跳び越える。

まる飛び(または女跳び):走ってきて、ゴムの直前で体を後ろ向きに回しながら跳び越える。

おおさか:まる飛びと同じ要領で体を後ろ向きにし、跳び越えずに踏み切り足だけを後ろにはね上げてゴムに引っかける。

なぜこれを「おおさか」というのか、いまだに不明。
   

「男女おおさか」というのもあり、男跳びをして、その場で女跳びをし、さらにおおさかをする、というものだ。

   

 加えて、ゴムにからだがこすってもいい「おつきあり」と、こすってはだめな「おつきなし」というルールもあった。

失敗した人が次の鬼になるが、最後に鬼も飛び、鬼が失敗したら鬼はそのまま。

高さは足首から始まり、膝とか腰とか、胸、肩、とだんだん高くなり、最後は頭の上に手を伸ばして持つほどの高さにもなった。

   

ながうま

 もう一つ、夢中になってやったものに「ながうま」がある。

今ではおそらく危険だということで、禁止されているのではないかと思う。
   

二組に分かれて一方が馬になり、一方が走ってきてそれに飛び乗る。

馬になる組は、一人が木や壁などに背中をくっつけて立ち、その股の間に次々に頭を突っ込んで長い馬を作る。

飛び乗る方は、走ってきて思い切りその馬に飛び乗る。

   

馬になった子どもたちは衝撃をこらえて踏ん張る。

どんどん走ってきて飛び乗るから、馬の上にはみんな折り重なって馬にしがみついている。

馬になったほうは、揺らしておっこどそうとする。

乗ったほうは、なるべく上からどかんと乗って馬をつぶそうとする。

馬がつぶれるか、乗ったほうが落ちるか、どっちが早いかを競うのだ。しかも男女入り乱れて。

   

 これは、危ないという理由で学校に禁止された。

しかし私たちは学校帰りの空き地でランドセルを投げ捨てて、これに興じた。よく無事だったなあと思う。

      

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