プロローグ 昭和20年8月15日

blue sky プロローグ

   
 昭和20年8月15日、日本は終戦を迎えた。

毎年、終戦記念日には、ひざまずいて頭を垂れ、玉音放送と呼ばれる昭和天皇の「終戦の詔書」を聞く人々の映像が流れる。

この日、多くの人々はどのように感じていたのだろうか。

   

 昔、母に尋ねたことがある。

「どんな気持ちだった?」
   

「ああ、やっと終わった!

 空が真っ青に晴れ渡っていて、何とも言えない解放感があったわね」と。

   

 それから数か月後、私が生まれた。

そして75年になろうとする人生が始まった。

貧しく苦しい生活であったはずだが、母と叔母が、「あの頃は大変だったけど、楽しかったわね」と話していたものだ。

確かに今のような豊かさはなかったが、 希望があり、活気があり、人の情けがあり、子どもたちが世の中の優しさに守られていたように思う。
   

今、私の胸によみがえるいくつもの記憶は懐かしく、ほろ苦くも甘い。

それらのエピソードを思いつくままに描いていきたい。

   

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