第1話 ラジオとはだか電球

bare light bulb幼児期

 当時、うちは父の弟夫婦、つまり叔父夫婦と同居していた。

叔父たちは2階、私たちは1階に住んでいた。

   

 夕食時になると、せまい4畳半に集まって、大人たちは食後も飲んだりしゃべったりしていた。

振り返ってみれば、みな20代の、いわば若者たちである。

きっと、これからの日本はどうあるべきか、みたいなことについて意見を取り交わしては盛り上がっていたのだろう。

   

 そんなことは全くわからない、まだ3歳の私は、大人たちの声を、BGMのように背中で聞きながら一人で遊んでいた。

絵本から、女の子や男の子、お母さん、お父さんの絵を切り抜いて、それをお人形さん代わりにして、4畳半の隅の壁に立てかけて。
   

もう一方の壁には棚があり、その上にのせてあったラジオから、とんち教室の「ながさきばってんさん、しゅんぷうていりゅうきょうさん……」などの声が聞こえてきた。
   

はだか電球の光は弱くて、遊ぶ私の手元は薄暗かった。

そうやって遊んでいた自分の姿を思い浮かべると、つつましく、さびしく、愛おしさで胸がいっぱいになる。

   

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