第85話 むっつりすけべえ

contemplate思春期

 高校では、同じ中学から来た友だちと、別の中学から来た友だちが混ざっていた。

 隣のクラスの女の子から、こんな話を聞いた。

彼女のクラスに私と同じ中学だった子がいて、その子に「○○さん、知ってる?」と私のことを聞いたら、「知ってる。私、あの人大嫌い。あの人むっつりすけべえなのよ」と言ったそうだ。
   

むっつりすけべえ?私が?

   

それは、中年オヤジに対して使う言葉だと思っていたので、びっくりした。

しかも、それを言った人は、男子に人気のあるかわいい女の子として有名だった。
その口からそんな言葉が出るとは!

   

 しかし、どうしてそんなことを言われたんだろう?

考えてみると、私は興味のある物や人を、じっと見てしまう癖がある。

特に、人を観察することが好きだ。失礼なことだし、見られる側からすれば、とても不愉快なことだとわかっているが、つい見とれてしまうのだ。

   

 私のことを大嫌いだと言った女の子が、男子にモテると評判だったので、バス停などで一緒になると、じっと見つめることがあったと思う。

「男子に持てるのはどの部分なのかなあ」と思いながら。

それが、とても嫌だったのだろう。
むっつりすけべえと言われても、しかたがないと思う。

   

 見るだけでなく、声が聴きたいというのもあった。

1級上に、歌がとても上手で、音楽会で独唱するような人がいた。

その人は話し声もとてもきれいで、それが聞きたくて、学校への道が一緒になると、できるだけ近くによって、声を聞こうとした。

 
 こうしてみると、ちょっと変人に見えたかもしれない。このような傾向は今でも残っているような気がする。

   

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