番外編3 おっちょこちょい

Woman falling into a hole番外編

 昔は「どぶ」、今で言う側溝そっこうだが、それにはふたがなかったと記憶している。

子どもの頃、学校の帰りなどに、よくどぶに片足突っ込んでいた。片足を踏み外して、どぶに落ちるのだ。
   

片足をドロドロにして帰り、「またどぶに落ちたの?注意散漫ね」などと母に言われたものだ。また、「おっちょこちょい」とも言われた。
   

私にしてみれば、注意散漫と言うより、考えごとをしながら歩いていて、つい足を踏み外すという感じなんだけれど。

   

 とはいえ、おっちょこちょいは確かにあると思う。

テーブルの上にある何かを取ろうとして、手前にあるコップなどに手をぶつけてひっくり返し、机の上を水浸しにすることは、ちょくちょくある。

周りの人が、急いでティッシュやふきんで拭いてくれる。

   

コップが倒れて水がこぼれる

   

並んだ机の間を歩くときには、必ずと言っていいほど机の角に腰をぶつける。こんなことが、この歳になってもしょっちゅうあるのだ。

   

 これはおっちょこちょいのせいなのか、注意散漫なのか?
   

考えてみるに、これは自分の体と周囲の物との間の距離を、測りそこなっているのではないかと思う。

大多数の人は本能的にというか無意識に、周りの物の位置と、自分の体との間の距離を測りつつ行動しているのに、私はそれができてないのでは? と思う。

だから道の端に寄りすぎて、どぶに落ちるのだ。

   

 空間認知の悪さなのだと思う。

こういう人はものごとを行う時に、なるべくゆっくりやるといいのだろう。そうすれば周りとの距離を測る余裕ができるからだ。

しかし、おっちょこちょいのせいで、ついせかせかと行動してしまう。

   

 スキーで民宿に泊まり、雪をかぶった田んぼを歩いていた時のことだ。

「そっちのほうにドツボ(こえめ)があるから気をつけてや」という民宿の人の声をうわの空で聞きつつ、どんどん歩いてドボンと落ちた。

胸まで浸かった。
   

夫に引き上げてもらい民宿に帰ると、おばさんたちが「ドツボに落ちたってよー」と笑っているのが聞こえた。

お風呂に入り着替えたが、なんとなく自分が臭っていた。
   

おっちょこちょいは、なおらないようだ。

   

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