最近の子どもたちのままごと遊びの道具は、プラスティックで、本物そっくりにできた野菜や果物、ハンバーグとかソーセージ、ケーキまでそろっている。
私たちのままごとは、庭にゴザを敷き、周囲のいろいろな草や木から材料を調達したものだ。
青木の赤い実や八つ手の白い花、あかまんま(いぬたで)、笹の葉や柊の葉、菊や椿の葉、
なんの葉っぱか知らないが、肉厚で、ちぎると中からドロッとした液が出てくるものもあった。
![アオキ](https://tamichat.com/wdps/wp-content/uploads/2020/09/59323f01400dd9a7d5a1a7a216dd9472.jpg)
![ヤツデ](https://tamichat.com/wdps/wp-content/uploads/2020/09/f4a2c16a2525efab704ca4c19c0365ca.jpg)
![イヌタデ](https://tamichat.com/wdps/wp-content/uploads/2020/09/c2e2d22b76b2babe7d1251ce06ae0794.jpg)
つつじ 注 やサルビアの花をそっと摘んで、その付け根をしゃぶると甘い。
それらはごちそうであった。
![ツツジ](https://tamichat.com/wdps/wp-content/uploads/2020/09/a0887457861c0ddd0e25d691943c8cc7.jpg)
![サルビア](https://tamichat.com/wdps/wp-content/uploads/2020/09/00fed100be4bebeeb5654698b6bbce7e.png)
あるとき、もっといいものないかなあと友だちと探して歩き、近所のお宅の垣根から、茶色の実を摘んだ。
すると、そのうちのお姉さんが出てきて、「あなたたち、今実を取ったでしょ。」と私たちをとがめた。
一緒にいた友だちは「とってない」とそれを隠した。
私はドキドキしていたが、見つからずに済んだ。
その友だちは、ふだんおとなしい子だったが、その度胸に内心驚いたものだ。
後でわかったが、それはお茶の木の実だったのだ。
白いきれいな花が咲く。
![チャノキ](https://tamichat.com/wdps/wp-content/uploads/2020/09/afbc7ffe3e9a480dcf65cd898bb3a961.jpg)
野の草や木の実を食べるということも、子どもたちの楽しみの一つだった。
関西に住んでいたころは、田んぼの脇の土手などに「スイスイ」と呼ばれる草があり、その茎をポキッと折って皮をむき、噛むと酸っぱい味がした。
正式には「いたどり」という植物らしいが、私たちは酸っぱいので「スイスイ」と呼んでいた。
![イタドリ](https://tamichat.com/wdps/wp-content/uploads/2020/09/8fa16d2bd1baee723f5913acd584e50c.jpg)
ぐみを食べるのも楽しかった。
特別においしいわけではないが、貴重なものを食べるという感覚があったのだ。
どこどこにぐみが生っていると聞くと、そこにみんなで走って行った。
![グミ](https://tamichat.com/wdps/wp-content/uploads/2020/09/4c78d4c26cdca35fcbf68f2d61aa29eb.jpg)
桑の実は食べたことがなかったが、男の子たちが桑の実を食べた話をして、舌や口の周りが真っ黒になると言っていた。
食べてみたいなあと思った。
![クワ](https://tamichat.com/wdps/wp-content/uploads/2020/09/faf82858e851f942b89471d254a67296.jpg)
私たちは、手足や口、体全体を使って学んでいったように思うが、今の子どもたちは、ITの情報から学ぶことが多いような気がする。
大丈夫なのかなあ。
注 「レンゲツツジ」には毒成分が含まれているので、食べないでください。
東京都福祉保健局「間違えやすい有毒植物」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/dokusou/23.html
その他 厚生労働省「有毒植物による食中毒に注意しましょう」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yuudoku/index.html
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