第83話 グッバイ勉強

don't feel like studying思春期

 高校生になった当初は、どんな授業をするのかなと多少期待があったが、すぐ興味がなくなった。

自分では、授業がつまらなかったからと理由づけしていたが、今冷静に考えてみると、難しくなったからではないかと思う。

   

 特に数学は、自分が休んでいる間に「log」という概念が出現していて、なんのこと?とさっぱりわからなくて、そこからもうめんどくさくなってしまった。

論理が何段構えにもなって複雑になると、追えなくなってしまう。

音楽や体育のように、感覚で直接とらえられるものはいいのだが、論理的に頭に入れていくのは、どうやら不得手のようだ。

   

 その中で、世界史の授業はとてもおもしろかった。

独特な個性のある先生で、両腕を開いて教卓の上に手をつき、顔は机の上に置いた資料を見たまま、1時間ずっとしゃべり続ける。

汗をだらだら垂らし、顔を真っ赤にして。

時々、後ろを向いて黒板に板書をする以外は、ところどころにおもしろいエピソードを加えながら、しゃべり続けた。

それは頭によく入った。ノートも取りやすかった。

   

 しかし、大半の授業は興味が持てなかったので、勉強はあきらめようと思い、もっぱら映画や軽音楽、異性への関心に気持ちを向けた。

   

母が、私が15歳になっても色気がないことを気にしてか、「パーマをかけたら?」と勧めてくれた。それで初めてパーマをかけた。
   

パーマをかける女性

   
また、私服で出かけるときはヒールのある靴をはきなさい、と少しかかとの高い靴を買ってくれた。

   

勉強から色気の方へと方向転換したのだ。

これで、周りの友だちのように、こつこつ勉強して身を立てるという道からは完全に離れた。

よかったとか悪かったとかではなく、これが私の自然な姿だったんだと思う。

   

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