番外編16 ミゼットとスバル360

Midget 番外編

 
 子どもの頃、オート三輪がよく走っていた。

八百屋さんが野菜を積んで売りに来た車も、オート三輪だった。

   

 それを小さくしたのが、ミゼットという名の軽オート三輪だ。

子どもの目からは、なんか危なっかしい車だなあという印象だったが、とても働き者だったようだ。

   

ダイハツ ミゼット Midget

   

そういえば、最近オート三輪を見なくなったなあ。

小さいときに見慣れていたオート三輪は、自転車のようなハンドルだったと記憶しているが、途中から普通の丸いハンドルになった。
   

   

 小学生の頃、うちのお向かいの家では、お父さんが出勤するとき、会社から車が迎えに来ていた。

立派な車だった。

「すごいなあ」と思っていた。

その当時、自家用車を持っている家庭は、とても少なかった。

   

 中学生になり、うちでも会社からお迎えが来るようになった。

そのときの車が、スバル360だった。
   

   

それを初めて見たとき、

「えっ? ちっちゃい」と思った。

大人の男の人が乗ると、ずいぶん窮屈そうに見えた。

   

後ろのデザインは、よく言えば、フォルクスワーゲンのようになっていた。

父は、スバル360は素晴らしいんだと言っていた。

   

たしかに、当時の画期的な軽自動車だったらしい。

でも、あまりにも可愛くて、お向かいのお迎えの車に比べると、ちょっと恥ずかしい気持ちがしたものだ。

   

Subaru 360 スバル360

   

 私は結婚して、毎日車を運転する生活になった。

いろいろな車に乗ったが、今思い出すと、あのかわいらしいスバル360が懐かしい。

   

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