先日テレビで、エレファントカシマシの宮本浩次さんが、小坂明子さんの「あなた」を歌うのを聞いた。
40年以上前に大ヒットした歌だ。
小坂明子さんはまだ16歳ぐらいで、自身が作ったこの歌をピアノを弾きながら歌っていた。
とても可愛い歌だと思ったが、感動するところまではいかなかった。
そのころ私はまだ若かったので女性として成熟していなかったのだと思うが、少女趣味の歌だな、ぐらいにしか感じられなかった。
しかし、宮本浩次さんが歌うのを今聞いて、涙が出るほど胸を打たれた。
そして芋づる式に、若い頃に聞いた歌の数々を思い出した。
当時、吉田拓郎さんたちのフォークソングが台頭し、それと並行してニューミュージックと呼ばれる楽曲が次々に出てきた。
同時に、シンガーソングライターという言葉もよく聞かれるようになった。
八神純子さんの「みずいろの雨」、
渡辺真知子さんの「かもめが翔んだ日」、
岸田智史(現・敏志)さんの「きみの朝」などなど、いい歌がたくさんあった。
また、円広志さんの「夢想花」という歌が流行り、
「とんでとんでとんで……まわってまわってまわってまわる」注 というサビの部分が有名だった。
何回「とんで」と言うか数えると、9回だった。
私は33歳で胃がんを患った。
入院したとき、大部屋で「夢想花」を何人かで歌ったり、
手術後、医師の一人が「モーニン、モーニン……」と「きみの朝」を口ずさんでいたのを懐かしく思い出す。
退院した後いろいろ大変なことがあったのだが、そのときに中島みゆきさんの「時代」を聞いて、とても慰められた。
彼女が作って研ナオコさんが歌っていた「かもめはかもめ」もいい歌だった。
あの頃の歌は、メロディーが情緒的で美しかったなあと思う。
注「夢想花」 作詞 円 広志
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