番外編18 太陽の力

Hakusan mountain range 番外編

    
 「月山がっさん」がきっかけで、山が好きになった。

山に登るのは大変だが、それでも山道を歩くとき、特に木立の間を歩くときの匂いが好きだ。

何の匂いなんだろう。

木の根の匂いなのか、土の匂いなのか。

   

山頂から、遠くに、雪をかぶった北アルプスの峰々が見えると、厳かな気持ちになる。

山々が何層にも連なっているのを見て、ああ、日本はほんとうに山国なんだなあと、感慨を覚えた。

   

 登った山の中で一番高いのは、乗鞍のりくらだ。
   

   

山頂から見えた甲斐かいこま甲斐駒ヶ岳)が、とても魅力的な山だと思った。

いつか登りたいと思ったが、チャンスがなかった。

   

 なぜか富士山に登りたいとは一度も思わなかった。

富士山は、遠くから眺めるものだと思う。

すべてのものから抜きんでて、空に突き上がった姿の美しさを楽しむには、少し距離を置く必要があると思う。

   

Mount Fuji

   

 印象に残っているのは白山に登った時のことだ。

御来光を拝もうと、未明に小屋を出て山頂に向かった。

夏だったが、とても寒かった。

暗い中、凍り付いた方位盤の近くで待った。

   

 稜線が徐々に赤らんでくる。

「来た来た!」と胸をときめかす。

そして、光が放射状に空に放たれていく。

ゆっくりと太陽の孤が見えてきた。

辺りを明るく照らしつつ、ぐんぐん太陽が昇ってきた。

すると、方位盤の氷がみるみる溶けていった。

あんなに寒かったのに、ぽかぽか暖かくなってきたのだ。

すごい!

これが太陽のエネルギーなのか。

   

hakusan sunrise

   

 昔の人が、太陽を神様だと思ったのはよくわかる。

太陽が無かったら、地球もなかった。

すべての命が太陽にかかっていることを実感したときだった。

   

コメント

  1. アイビー88 より:

    今晩は
    「早トレ」のスレでは、私のコメントにご丁寧な返信を頂き有り難うございました。

    あちらのスレにお礼のコメントをと思いましたら、あれから沢山の素敵なお話しが。
    それに今日は ♡山 のお話し。でこちらにお邪魔しました。
    特に “白山” の記述には臨場感で胸が一杯になりました。
    まさしく
    太陽のエネルギーは 唯一無二 神 の存在ですね。(ガーデニングをしているので日々実感。それに幼い時、悪い事をするとお天道様が視てるよと親に言われていましたから、自然に畏敬の気持ちがありますね)

    私はワンゲル部で思い出すのは、初めて山歩きをした東京最高峰曇取山です。
    バスケとはまた違う達成感や、自然の清らかさが心地よかったことです。

    富士山のお話、分かります~♪︎
    でも、今年はその富士山に登る予定でした。
    (其ツアー会社の企画で3月から段階的にチャレンジして8月に山頂に)
    それが、このコロナで・・・残念でした。もう無理だと思います。

    ※アルバイトのお話しも、分かる、分かるです~♪
    また目標の有無のお話しも(アルペン競技まで、凄いですね。私などボーゲンにパラレル止まりでした)

    ☆どうぞ、これからも、お体をいたわって、楽しい懐かしいエッセイを書いて下さいね。番外編も。
    楽しみにしています。
    有り難うございました。(^-^)

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