前に描いたように、父方の祖父は相当な変わり者だったが、祖母の方もかなり個性の強い人だった。
なにせ、家の裏に自分用の小さい家を建て、そこで楽しそうに暮らしていたのだから。
自分の夫(私にとっての祖父)のことは一切ほったらかしで、食事を作りに行くだけ。
江戸ことばでポンポン話す人だった。
鼻柱の真ん中に、少し盛り上がったこぶのようなものがあり、それは物干し竿が落ちてきて鼻を直撃したからとのことだった。
さぞかし痛かっただろう。
実は私が生まれたとき、祖母は「この子は私の生まれ変わりだ」と言ったそうだ。
正直言ってあまりうれしくないのだが、確かに私もちょっと変わっているかもしれない。
この祖母は花を育てるのが好きで、庭にはいろいろな花が植えてあった。
それまで花の名前は、コスモスとガーベラぐらいしか知らなかったが、
なでしこ、オシロイバナ、都わすれ、秋海棠(しゅうかいどう)、ダリア、カンナ、グラジオラス、シャスタデイジー、パンジー、けいとう、水仙、松葉ボタンなどなど、たくさん教わった。
今、一番好きな花はコスモス、そして日本水仙 注1と都わすれ。
樹に咲く花では、百日紅(ひゃくじつこう)、レンギョウ、モクレンだ。
関西の方では夾竹桃の花をよく見かけるが、東京ではほとんど見ない。
毒がある注2と聞いたことがあるが、とてもきれいな花が咲く。
最近、ダリアとかカンナ、グラジオラスなどの花を、家々の庭で見かけなくなった。
どこへ行ってしまったんだろうと思っていたが、
数年前、能登の海辺の村を車で通りかかったとき、民家の前にダリアとカンナが咲いているのを見かけ、
「あ、ここにあった」と嬉しくて懐かしかった。
注1 東京都福祉保健局「間違えやすい有毒植物 スイセン」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/dokusou/09.html
その他 厚生労働省「有毒植物による食中毒に注意しましょう」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yuudoku/index.html
注2 「夾竹桃は強い毒を持つ!毒の致死性・危険性と生育のポイント」
生活110番 https://www.seikatsu110.jp/garden/gd_prune/20655/
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