第95話 なりすましゴルフ

Green思春期

 テストでズルした仲良し4人組は、さらに結束が強まった。

なにか楽しいことはないかなあと話している時、4人のうちの一人が、ゴルフ場に行かない?と提案した。

今度の日曜日にお父さんがゴルフに行くから、それについて行こうという計画だ。

   

 私はゴルフをしたことがなく、父と「打ちっぱなし」に行ったことがあるだけだったし、父もそんなにうまくなかったらしい。

   

 どうなるのかわからないままに、前日からその彼女の家に泊まることになった。
ゴルフは朝がめちゃくちゃ早いから。

   

 彼女の家は、渋谷から歩いて行けたので、渋谷に集合した。

迎えに来た彼女は、「お肉買っていくから」とのことで、みんなでお肉屋さんに寄った。なにかの肉を1キロぐらい買っていた。

   

 家に到着し、夕食はジンギスカンだった。
   

   
ジンギスカン鍋というものを初めて見たし、この料理も食べたことがなかったが、おいしいなあと思った。彼女が買っていたのは羊の肉だったのだ。

デザートは自家製のアイスクリームだった。

   

 夕食後、お父さんからゴルフの手ほどきを受けた。

リビングに毛布のようなものを敷いて、パターゴルフの練習をした。
穴に見立てた目標に入るように、パターで転がす練習だ。

これをゴルフ場で実施するのだという。

   

 夜は彼女の部屋に無理やり4人で寝た。
おしゃべりが止まらなくて、ほとんど寝なかったかもしれない。

   

 翌朝、早く起きてダイニングルームへ行くと、お母さんが、たけのこご飯のおにぎりと卵焼きを、きれいにお皿にのせて用意してくれていた。

朝早くから、このような手の込んだ朝ご飯を作るなんて驚いた。

私の母だったら、せいぜいトーストと紅茶、ハムサラダ程度だと思う。
きちんとしているなあと感心した。

   

 車に分乗していよいよゴルフ場へ。
   

Golf course

   
初めてゴルフ場を見て、「広いなあ!」と思った。

キュロットを履いたご婦人が、ティーショットをバシーンと打つのを見て、内心「スゲー」と思った。

   

 さて、いよいよパターゴルフをすることになり、私たちは意外なことを聞かされた。私たち4人は兄弟、ということになっているというのだ。

お父さんの娘たちが来たことにして、ゴルフ場に入ったのだそうだ。
   

そんなことして大丈夫なのかなあ、と戸惑ったが、みな、お互いに「名字で呼んじゃだめだよ」と注意し合って、名前で呼び合った。

老けて見える順に年上ということにしたが、私は次女だったような気がする。

   

そして、お世話をしてくれる、年配のコーチのようなおじさんに教えられながら、パターゴルフをやった。

そのおじさんも、私たちがほんとの兄弟ではないことに、気づかないはずはなかったが、気づいているようなそぶりを見せなかった。

後ろめたい気持ちはあったものの、面白い体験ではあった。
   

 以来、私はゴルフなどとは縁遠い人生だったので、このゴルフ経験は最初で最後となった。
   

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