第23話 六甲(むこ)のやまなみ 背において

school 学童期(関西編)

    
 高校野球のシーズンになると、勝った高校の校歌が流れる。

それを聞くと、なかなかいい校歌だなあと思うことがよくあるが、自分が通った学校の校歌はどうであっただろうか。

   

 初めて通った小学校は兵庫県の瀬戸内海側にあり、風光明媚で気候も温暖なよいところだった。

学校は、坂道になっている道路に面しているため、校舎は、道路からせりあがった土地にあり、

道路から校庭までの斜面には松が植えられていて、きれいな外観だった。

   

 しかし校歌は古めかしい歌詞だった。

   

むこのやまなみ せにおいて

ちぬのうらかぜ おだやかに

 ものみなひかる まなびやの 注1

   

後にまだ続くのだが、ここまでしか覚えられなかったし、意味は全く分からなかった。

     

 その後通った東京の小学校の校歌は、子どもにでもわかるような歌詞でできていたが、なんとなく面白くない歌だった。

中学校の校歌も、高校の校歌も悪い歌ではないものの、なんとなくつまらない。

   

なぜか?

たぶん、学校や、学ぶ生徒の姿を妙に美化しているので気持ちとは乖離かいりしており、気持ちよく歌えないのだろうと思う。

   

 それに比べて、大学の応援歌は気持ちよく歌えた。

校歌ではなく応援歌のほうである。

自分は体育会系の部に所属していたので、この歌は威勢が良くていい気分で歌えた。

   

樹霊せよ我等が賛歌 紀尾井の杜の彼方まで

 樹霊せよ我等が賛歌 紀尾井の杜の彼方まで 注2

   

注1 富田砕花 作詞
注2 松本寛 作詞

   

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