小学生のときだった。
ラジオから、さわやかで踊りたくなるような歌が聞こえてきた。
「花のまわりで鳥がまわる、鳥のまわりで風がまわる……」注1 という歌だ。
一緒に歌いながら、素敵な歌だなと思った。
現在も続いていると思うが「NHK全国学校音楽コンクール」、合唱コンクールの課題曲だった。
音楽が好きで合唱も好きだった私は、ラジオでよく聞いていた。
小学生の部が一番好きだった。
小学生の声は透き通っていて、とてもきれいだ。
私が通ったのは、ごく普通の公立の小学校だったが、音楽活動に熱心だった。
作詞や作曲をする先生がいて、例えば、おそうじの歌とか体育祭の歌などオリジナル曲があった。
おそうじの歌は、
「パッパパッパ、パパッパパッパ、はたきをかけて、サッササッサ、ササッササッサ、ほうきではいて」
というような歌詞だった。
なんとなく時代を感じさせる。
体育祭の歌は「強い体に住む心」と始まった。
NHKの学校音楽コンクールの話に戻るが、私たちの小学校でも、音楽の時間にこの課題曲を歌ったりした。
4年生のとき、いくつかの小学校が集まって音楽会が開かれ、
そこで過去の課題曲の中から「仲よし円舞曲」という歌を練習して歌った。
「明るく笑うお日さまよ」注2 と始まる歌だ。
スタッカートの部分があり、そこを特に何回も練習したことを覚えている。
5年生のときの課題曲は「わかいおじさん」という歌だった。
音楽の時間に歌ったが、この歌も大好きだった。
「広い肩をした、わたしのおじさんがやってきた、熊が出るという山の話をした……」注3 という歌だ。
音楽の教科書に載っている歌と違って、子ども心に、おしゃれな歌だな、と思った。
この歌に出てくるおじさんがとても魅力的で、こんなおじさんがいたら、どんなに楽しいだろうと思った。
小学生のときは、いつもアルトを歌った。
母が私の声を褒めてくれなかったので、自分の声はあまりよくないけど、音程が正しくとれるからアルトが合っていると思い込んでいた。
ところが大人になってから、いろいろな人から「声がきれいだ」と言われるようになった。
あれ?
そうだったのか。
もっと早くからそれを知っていれば、アナウンサーのように、声を使う仕事を選んだかもしれないなあ、と思ったりしたものだ。
ちょっと残念だ。
注1 「花のまわりで」作詞:江間 章子 作曲:大津 三郎
注2 「仲よし円舞曲」作詞:深尾 須磨子 作曲:高田 信一
注3 「わかいおじさん」作詞:与田 準一 作曲:牧野 統
コメント
はじめまして。
小学校合唱部に入部したときに先輩が練習していた曲がとても好きだったのですが,題名も知らず,ずっと気になっていました。「万年雪…きらきら」という歌詞と,その部分のメロディーだけが,70代になった今でも強く印象に残り覚えていました。たまたま検索したところ,こちらのHPにたどり着き,題名も作者も年代も,そして楽曲まで60数年ぶりに聞くことができ,とても感激しています。
私が小学校の頃好きだった歌を同じように好きだった方のブログを読ませていただけて,とても嬉しくなりました。
本当にありがとうございました。
namiさま
コメント、とても嬉しく拝見いたしました。
私も、この歌を同じように好きだった方がいらして、私のブログがその方の
お目に留まったことを思うと、涙が出るほど感激しました。
子どもの頃に聞いた歌や音楽がずっと心に残っていて、
思い出すたびに、その頃の自分が蘇るって不思議なことですよね。
どうぞ、お身体をお大切に、これからもお元気でいらしてください。
ほんとうに、ありがとうございました。