第114話 雪焼け、雪目、連れしょんべん、留年の危機

Tired woman 青年期

   
 今まで書いてきたスキー部についての記事は、いいことずくめのように見えるかもしれないが、実はデメリットもさまざまあった。

雪焼け

 若い頃、化粧はほとんどしなかった。

特に、小さな子どもを3人抱えて仕事をしていたときは、朝、顔も洗わずに出勤した。

   

 学生時代、顔に塗っていたのは、日焼け止めのクリームだけだ。

どんなにしっかり塗っても、汗で落ちることもあるかもしれないが、雪焼けした。

雪焼けは日焼けよりひどい。

日光だけでなく、真っ白な雪面からの照り返しが強いのだ。

   

ski slope

   

それで私たちは、一年中、真っ黒に焼けていた。

この影響は、歳を取ってから現れる。

しわが多いのだ。

同年齢の友だちと比べて、自分はしわが多いと思う。

   

雪目

 雪目は怖いと聞いていた。失明することもあると。

それなのに、ゴーグルをするのを面倒がって、いい加減にしていたことがある。

家に帰ってから、目が猛烈に痛くなった。

これは経験したことがない痛さだった。目をつぶっても開けても痛くてたまらない。

   

眼科に行ったのだと思うが、あまりはっきり覚えていない。

しかし、雪目の怖さは十分わかった。

それ以来、サングラス、ゴーグルをいい加減にしないように気をつけた。

今でも、日の光がまぶしくてたまらないが、雪目と関係あるのだろうか。
   

   

女子の連れしょんべん

 部では、一日一回は必ず部室に来るように、と言われていた。

目的はよくわからなかったが、たぶん、連帯意識を高めるためなのかもしれない。

こういうことが、めんどくさかった。

   

 女子は必ず、お昼を一緒に食べようと言う。

私はどちらかというと、ご飯は一人で食べるのが好きなので、これを負担に感じた。

   

 なによりうんざりしたのは、お昼のあとに「トイレ行こうよ」と、一緒にトイレに行かなければならないことだった。

別に行かなくてもいいが、行かないと言うのも変だという雰囲気だった。
   

トイレでたいていの女子は、口紅を塗ったりして化粧直しをする。

それを待っているのも疲れたものだ。

   

留年の危機

 勉強が疎かになるのは高校時代からだから、珍しいことではなかったが、それでも単位が取れなかったら卒業できない。

   

成績が悪くても気にならないが、卒業できないと大変だという危機感はあった。

   

前にも書いたが、授業中は眠くて聞いていないので、ノートも取っていない。

それで、クラスの優等生にノートを借りたが、そのノートの内容もよく理解できず、私にとっては役に立たなかった。

   

 試験も、さぼって合宿に行ったことがあり、追試を受けた。

あらかじめクラスメイトからどんな試験だったか聞き、答えを用意して臨んだ。

   

   

「よし、100点だ!」と思っていたが、追試は75%しか点をくれないと知り、ガックリした。

   

そもそも私たちの科では、運動部に入ると勉強しないから入ってはいけない、という伝統的な暗黙の圧力があり、担任ににらまれるという噂だった。

しかし、いじめられた記憶はなく、むしろ可愛がってもらったと思う。

勘違いかもしれないが……。

   

 一番心配したのが、3年生の春だ。

いつものように合宿場にいたが、留年のお知らせが来るのではと、毎日ドキドキしていた。

うちに電話して、「学校からなんか連絡あった?」と聞いたりした。

結局、ぎりぎりセーフだったようだ。

今でも、よく卒業できたなあと思う。

   

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