第15話 おもらし

panicked teacher学童期(関西編)

 小学校1年生になって間もないころ、先生がクラスのみんなを連れて学校の周りを散歩したことがある。学校の裏手の方は、のどかな田園が広がっていた。
   

 散歩の途中で突然尿意をもよおした。

誰にともなく言ったのだろうか、はっきりしたことは覚えていないが、とにかくおしっこがしたいということが先生に伝わり、先生はあわてて飛んできた。

担任は年輩の男の先生で、私の目からはおじいちゃん先生だった。

   

 先生は、どこかさせるところはないかと、あちこち探していたが、私は我慢しきれず足元にジャーッと出してしまい、「でたー!」と叫んだことはよく覚えている。
   

 先生はさらにあわてて飛んできて、ぬれた足元やらを見つつ「風邪ひかないかなあ」と心配していた。

その間、恥ずかしいとも思わないし、まして悪いことをしたなどとは全く思わなかった。単におしっこが出てしまっただけだ。

   

着替えもないし、結局そのまま学校に帰り、いつも通りに下校の時間になった。
すると、先生は送ってあげるという。

   

 学校の玄関前に自転車を止めて私を乗せ、「風邪ひくと大変だ」と言って、いざ出発となった。先生は「家はどっち?」と聞いた。

   

実は、うちは道路を挟んで学校の向かい側にあった。

「そこ」と目の前を指さした。

先生はびっくりして「え、そこ?」と言ったが、いちおう自転車を押して家の前まで私を運んだ。

   

そこで母か祖母が応対したのだと思うが、その辺はあまり覚えていない。私の記憶に強く残っているのは、先生がしきりと風邪をひかないか心配していたことだ。

あのおじいちゃん先生は親切で優しかった。

   

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