第102話 東京オリンピック

Blue Impulse青年期

 1964年10月10日、東京四谷駅の近くの土手の上に立っていた。大学の部活のトレーニング姿だったと思う。

晴れ渡った秋空に、五輪のマークが描かれていくのを見ていた。
   

「始まったんだ!」

日本国民が喜びに沸いた、オリンピックが。

   

選手団入場行進曲 古関裕而「オリンピック・マーチ」 1964 Tokyo Olympics

   

 思い出は、そこから8年前に戻る。
   

小学5年生だった私は、学校からの帰り、知り合いのお兄さんの、自転車の後ろに乗っていた。

お兄さんといっても、NHKにお勤めの若い男の人だったけれど。

なにかの用事で学校に来ていたので、「送ってあげるよ」と、自転車の後ろに乗せてくれたのだ。

   

心地よい風を受けながら、自転車は走って行く。すると、お兄さんは言った。

「8年後に東京でオリンピックをやるんだよ」

「えっ!ほんと?」 すごい、と思った。

「その時、〇〇ちゃんは大学生だね」

「え~?大学生になるかなあ?」

「きっとなるよ」

   

当時、大学に行く女性はもちろんいたが、自分が行くとは思っていなかった。大学に行く女の人は、特別な人だと思っていたのだ。

   

 この歳になると、8年なんてあっという間だ。

しかし、小学5年生からの8年間はとても長く、変化が大きく、様々なことがあった。そして、曲がりなりにも大学生になった。

   

 最近も、あの東京オリンピックのことが、テレビでよく取り上げられる。

胸躍るような古関裕而のオリンピックマーチを聞くたびに、込み上げるものがある。

あの頃、今の世の中を想像できただろうか。このとんでもない状況を。

   

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