第54話 プロ野球

Baseball silhouette 学童期(東京編)

   

 日曜日、母に「おとうちゃま、おそば屋さんにいるから呼んできて」と頼まれた。

走っておそば屋さんに行くと、父はビールを飲みながら、テレビで野球を見ていた。
   

その頃うちにはまだテレビがなかったので、父は野球の試合を見るために、おそば屋さんに居座っていたのだ。

   

 「帰ってきてって」と伝えても、帰ろうとしないで試合を見ている。

私も仕方なく一緒に見ていた。

そのころは、これのどこが面白いんだろうと思っていた。

    

 父はアンチ巨人だった。

たしか大洋たいようホエールズを応援していたと思う。
    

ちなみに私は今、巨人ファンで、シーズン中はテレビで試合をできる限り見ているし、見られなかったときも必ず試合結果をチェックしている。

今年こそは、しばらく遠ざかっていた日本一を奪還だっかんしてほしいと思っている。  

   

 それにしても、あの頃と今では球団名がずいぶん変わった。

父がファンだった大洋ホエールズは、今や横浜DeNAベイスターズとなった。

私が知っている頃から変わらないのは、読売ジャイアンツ、中日ドラゴンズ、広島カープ(広島東洋カープ)ぐらいか。  

   
タイガースは有名だったが、今のように阪神タイガースとなったのは少し後のことのようだ。

タイガースと言えば阪神タイガース、と思い込んでいたが、当時は大阪タイガースだったらしい。
   

阪急ブレーブスはどこ行っちゃったの? と思っていたが、オリックス・ブルーウェーブになり、それが大阪近鉄バファローズと一緒になって、オリックス・バファローズになったのだ。
   

大毎だいまいオリオンズ(毎日大映オリオンズ)は?

千葉ロッテマリーンズになった。
   

西鉄ライオンズは埼玉西武ライオンズ、

南海ホークスは福岡ソフトバンクホークス、

国鉄スワローズは東京ヤクルトスワローズ、

東映フライヤーズは北海道日本ハムファイターズとなったわけである。
   

そしてパ・リーグには、新たに東北楽天ゴールデンイーグルスができた。
    

 昔は鉄道会社が、幅をかせていたということなのだろうか。

それに、映画会社も球団を持っていたんだなあ。

球団を持つ企業名からも、時代の移り変わりを感じる。

   

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