オーソモレキュラーの効果をお伝えするには、変形性股関節症について語らなければなりません。
長くなりますが、どうかご容赦を。
はじまり
確か50代前半のことだったと思う。右脚の付け根に違和感を覚えたのは。
左脚を軸にして右脚を踏み出すときに、そのつけ根が固くてスムーズでない感覚。
まだシーズンになるとスキーに出かけていた頃だ。
これはまずいと思い、整体に行った。
マッサージなどをしてもらうとスムーズになるので、あまり重大とは考えていなかった。

ところが60歳を過ぎてから年々少しずつ、歩くときに痛みを感じるようになり、あちらに行ったり、こちらに行ったりして、さまざまな施術を受けた。
カイロプラクティックは4か所、鍼灸院は2か所行った。
なぜか耳に棒のようなものを当てて行うところにも行った。
手技による医業類似行為の危害
ー 整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も ー
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002lamn-att/2r9852000002latt.pdf
独立行政法人 国民生活センター
整形外科
整形外科には行かなかった。
50代半ばだったと思うが膝が痛くなり整形外科に行ったところ、膝の水を抜かれ、かえって痛くなったからだ。

余談だが、そのときグルコサミンを3か月ほど服用したら、すっかり治ってしまった。
グルコサミンは効かないと言われているけれど…。
それはさておき、周囲の人たちからしきりに「整形外科に行ったら?」と勧められ、決心して股関節治療で有名な地元の総合病院の整形外科に行ってみた。
レントゲンなどの検査の後……

変形性股関節症です

治療法は人工股関節に換える手術しかありません

ただし手術はいつしてもかまいません

してもしなくてもかまいません

痛み止めだけ出しておきます
と、木で鼻をくくったような言い草。
むかついて『あんなところ二度と行くもんか』とぐずぐずしているうちに、大腸がんになり、この話は立ち消えた。
68歳のことである。
不思議なセラピー
大腸がんの手術から一段落した頃、娘の紹介で「頸椎の調整をする」セラピーを試してみた。
これは一定の手ごたえがあった。
そこには体全体の状態を画像に示す機械があり、どこが悪いのかが分かるらしかった。
私の場合は腰だとのこと。
『腰? 痛いのは脚だけど』と思ったが…。
施術はベッドに横になり、院長が首の一部を指でさっと触れるだけ。

『それだけ?』
そしてその後、小一時間ほどベッドで寝るという奇妙なものだった。
終わって、脱いでいた靴下を履こうとした。
それまでは、痛いほうの脚の付け根が痛くて曲げられないので、体をそらして足を上にあげ履いていたのが、なんと足を椅子の端に乗せて普通に履けたのである。

帰り道、両足がまっすぐ前に出せることにも気づいた。
あんなちょこっとした施術で変わるのか、不思議だった。
ここには何回か通ったが、なにせ一回の施術料が私にとってはものすごく高かったこともあり、いつしか足が遠のいた。
腸腰筋
そんなとき「人工股関節手術不要論」という本に出会った。
読んでみると、痛みは股関節が痛いのではなく簡単に言うと、腸腰筋が緊張していて痛みを感じるので、その筋肉を緩めてやることで改善するというものだった。

人工股関節に入れ替えるということに懐疑的だった私は『これはいいものに出会った』と思い、早速この本の著者が経営している整体院を訪ねた。
院長は 80歳のエネルギッシュで面白いおじいちゃんだった。
ここでは、おへその横あたりに手を置いて腸腰筋の場所を探り、ここというところに手を当てて軽く押す感じ、これを1時間も続けるのだ。
前半はスタッフが 30分行い、後半は院長が 30分行った。

筋肉はとても繊細なので、もんだり叩いたり伸ばしたり強く押したりしては絶対にいけない

優しくなでる程度がよい
私がここが痛いと指でこすると、「ダメダメ」と注意されるほど。
そして、湿布、痛み止めは×だった。
この整体院には片道2時間かかったが、歩けそうだという自信のようなものが持てるようになり、1年ほど通った。
が、コロナが流行り始め、行くのを控えているうちに心臓がヤバくなり、ここも終わった。
博田法
心臓手術後、徐々に体力が戻り 1kmぐらいは歩くことができたが山奥に移り住んで以降、年々痛みが強くなり、今では 100m歩き続けるのも難行苦行である。
そこで 1年ほど前に夫が博田法というものを見つけ、それを実施しているところが我が県にはなかったため近くの県まで出向くことになった。
日本関節運動学的アプローチ(AKA)医学会
https://www.aka-japan.gr.jp/index2.html
ここの考え方は、人工股関節手術不要論のおじいちゃんと共通する部分もあった。
筋肉をもんだり関節を無理に動かしたりしない、マッサージではないやり方で仙腸関節を治療するとのこと。

院長が診察をし、リハビリとして博田法の施術は理学療法士が行っている。
診察を受けると、「腰が悪い」と言われた。
腰!
『あれ? そういえば、頸椎調整のところでも腰が悪いと言われたっけ……』
続きは後編にて。
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