3年生までは、勉強したという記憶が全くと言っていいほどない。
授業で何をやったかということも、ほとんど覚えていない。
覚えていることと言ったら、わずかに理科の時間に花壇を観察したこと、
家庭科の時間に、菜っ葉は流水で洗うということを教わったことぐらいだ。
特に算数は何も覚えていない。
たぶん理解していなかったのだろう。
しかし4年生になってから、なぜかテストでいい点数を取りたいという願望が現れた。
それから算数が分かるようになった気がする。
4年生の通知表に、
3年のときの担任の先生が「算数の指導をしていただいてありがとうございます」と、
どういうわけか4年の担任宛てのコメントを書いていた。
さらに5年生ぐらいになると、どんなことも男子に負けたくないという気持ちが湧いてきた。
勉強でも遊びでも、男子を負かしたいと思っていた。
けんかも勝てるかどうか試してみたが、やはり男子の腕力には勝てなかったのが悔しかった。
そうしているうちに、1年生のときは何も分からず、まごまごしていた子が、いつのまにかしっかり者になってしまった。
不思議なものだ。
両親から、「宿題はしたのか?勉強しなくていいのか?」などと言われたことは一度もない。
冬休みなどの宿題は、寝ている間に片づけてもらったこともあったくらいだ。
子どもというものは、ありのままを受け入れてやり、
好きなこと、やりたがることを存分にやらせておけば、自然とその子らしくできあがっていくのではないだろうか。
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