博田法の実際
博田法の初診でレントゲンの結果、悪いほうの脚の大腿骨頭について……

骨が崩れちゃってる
おお! 恐ろしい。
かなり傷めつけてしまったようだ。

リハビリはお腹の後ろ、腰の背面といったらいいか、そこを探るようにして部分部分を軽く触れていく。
そのポイントのとらえ方が絶妙で、『そうそう、そこよ』と言いたいところに指を当ててくれるので気持ちよかった。
リハビリを受けた後は脚の痛みも軽減して、脚が少し軽くなった感じがした。

『こりゃいいんじゃない?』
リハビリは月に2回通っており、そのうち1回は院長の診察が入る。
そこでは前屈と後屈をさせられるが、その度に

腰が悪いね
と言われる。
腰への負荷
思い返してみれば、腰はずっと悪い。
そもそも大学生のとき、スキー部の合宿で重い荷物を担いで月山に登った。

その重さと言ったら、一歩踏み出すとミシっと腰が痛くなるほど。
キスリングのザック、木製のスキー板、革のスキー靴、今と違って何もかもが重く嵩張った。
それでも一歩一歩、歩いていくうちに、だんだん慣れてくる。
10分歩いて5分休憩だったかな。そんな感じで登って行った。
それが腰に負荷をかけた始まりで、その後もこんなことを続けていったのだった。
若気の至りか、こういうのを頑張るのがいいんだ、みたいな気持ちがあったのだろう。
さらに仕事が、これまた腰をいじめることが多かった。
小さい子どもを扱う仕事で、おんぶや抱っこをして走ったり、抱っこしてトランポリンを跳んだり、幼児用の机をあっちに運んだりこっちに運んだり。

幼児だけでなく小学生を肩車するようなこともあった。
そうしながら子どもを産んだり育てたりする中で、年がら年中腰に負荷をかけてきた。
まだあんよができない赤ん坊を抱いて、おなかには次の子が……ということもあり、今だったら恐ろしくて到底できないことを平然とやっていた。
45歳からは仕事を変え、それまではペタンコの靴しか履かなかったのが、毎日ヒールのある靴を履き、4時間ほぼ立ちっぱなしだった。
そして 一気に外反母趾になった。
そんなことの積み重ねが股関節にも影響したのだろうか。
しかも田舎に来た当初は、まだ1㎞ほど歩けたので、稲刈り(手刈り)やら芋掘りやら、股関節が痛いのにも関わらずかなり頑張ってしまった。
また、遠く思い返してみると、5歳の頃からしょっちゅう右足を外側にゴロンとぐねっていた。

3人目の子どもを出産した後、右脚の付け根がなんとなく開きにくい感じがしたっけ。
そんなことも現在の状態になることの前触れだったのかなあ?
懸念
いろんな方々から「思い切って人工股関節置換術を受けたら?」と勧められる。
実は職場の友人が、かの有名なK病院で股関節の手術を受けたのに、その後も「痛い」と言って首をかしげていたのが頭にあった。

それで手術には踏み切れないまま、ときが過ぎたのだ。
博田法は、とにかく患部に負荷をかけないことが大切という考え。

痛いのを我慢して歩いたり運動したりは厳禁

買い物でも家事でも、無理をしないように加減してやるように

そうすると筋肉がどんどん衰えるのでは?

家事をやっていても筋肉は使っているのだから大丈夫
と言われるが、どうなんだろう?
心臓外科の方では、

運動しないと筋肉はつかない!
と毎回のように言われるしねえ。
現在の痛み
確かに重い荷物を動かしたり、腰をかがめて草取りしたり、試しに以前から続けていたエアロバイクを少し漕いでみたりすると、後日脚がめちゃめちゃ痛くなる。

YouTubeで、股関節に負荷をかけないで筋肉を鍛える方法などをいろいろやっているが、それさえも痛くてその通りには動かせない。
かなりヤバいのだ。
腰をかがめてから起き上がると脚の付け根が超痛いので、立ったまま片方の踵で靴下のつま先を踏んで引っ張って脱ぐ。
脱いだ靴下は、そのまま置いておく。
すると夫が拾って洗濯かごに入れる。

キッチンペーパーで手を拭いてゴミ箱に入れるのを失敗し床に落ちると、足の指でつまんで入れようとするが、その足を持ち上げるのが痛くて大変。
そこで、夫がマジックハンドを購入した。


床に置いたスマホをそれで挟んで持ち上げようとするが、スルッと外れていっこうに挟めない。
「ダメじゃん」
次は蠅たたきを床に置いて試行。

これはなんとか挟めるものの、持ち上げる途中で落ちてしまう。
ティッシュとか靴下は拾うことができたが、柄が120cmもあり、器具が掴んだものに手が届かないというなんとも残念な結果。

痛み止め
院長は、

痛かったら痛み止め飲んでもいいですからね

湿布を貼ってください
と言ってロキソプロフェン(錠剤&湿布)を胃薬と一緒に出してくれる。
10年ほど前から市販薬「ロキソニン」をたまに服用していたが、その有効成分がロキソプロフェン。
以前通った「人工股関節不要論」のおじいちゃんは絶対×だったので、いいのかな? と思ったが、お許しがあるとちょっとホッとする。

出先で歩かなければならないときや、歯医者であの椅子に座って後ろに倒された状態は、脚の付け根が伸びるので、痛くて我慢できない。
こんなとき、痛み止めなしではとても無理。
副作用も気になるし、使い過ぎるとだんだん効かなくなると言われているので、月に8回までと決めて服用している。
重篤副作用疾患別対応マニュアルより
ネフローゼ症候群
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1e54.pdf
厚生労働省
医薬品の使用上の注意の改訂について
(令和6年6月19日~令和6年10月23日改訂指示分)
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001316960.pdf
厚生労働省
「重大な副作用」が追加されたロキソニンは安全か?〜医師による解説
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ce1e5199a5d8ab4dd598518c7e50b851e9ba3f4f
結び
このような日常のなか博田法に通っている。
目覚ましい変化はないが、変な力を加えられないことと、この状態に少しでも向き合ってくれる人のいることが安心する。
では博田法で 一件落着かと言えばそうとも言えず、心の底でやはり手術した方がいいのかと迷うこともしばしば。
これってどうしたらいいんだろう。
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