第48話 勉強

studying girl 学童期(東京編)

   
 3年生までは、勉強したという記憶が全くと言っていいほどない。

授業で何をやったかということも、ほとんど覚えていない。
   

覚えていることと言ったら、わずかに理科の時間に花壇を観察したこと、

家庭科の時間に、菜っ葉は流水で洗うということを教わったことぐらいだ。

特に算数は何も覚えていない。

たぶん理解していなかったのだろう。

   

 しかし4年生になってから、なぜかテストでいい点数を取りたいという願望が現れた。

それから算数が分かるようになった気がする。
   

4年生の通知表に、

3年のときの担任の先生が「算数の指導をしていただいてありがとうございます」と、

どういうわけか4年の担任宛てのコメントを書いていた。

   

 さらに5年生ぐらいになると、どんなことも男子に負けたくないという気持ちが湧いてきた。

勉強でも遊びでも、男子を負かしたいと思っていた。

けんかも勝てるかどうか試してみたが、やはり男子の腕力には勝てなかったのが悔しかった。
   

   

そうしているうちに、1年生のときは何も分からず、まごまごしていた子が、いつのまにかしっかり者になってしまった。

不思議なものだ。

   

 両親から、「宿題はしたのか?勉強しなくていいのか?」などと言われたことは一度もない。

冬休みなどの宿題は、寝ている間に片づけてもらったこともあったくらいだ。

   

子どもというものは、ありのままを受け入れてやり、

好きなこと、やりたがることを存分にやらせておけば、自然とその子らしくできあがっていくのではないだろうか。

   

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