検査と手術
経食道エコー
過去、胃がんと大腸がんを患い、いろいろな検査をしたが、心臓手術に備えての検査は、以前のものに比べ、痛い苦しいが大きかったと思う。
例えば、経食道エコーは、エコーの機械を飲み込むというので、胃カメラと同じようなものかなと甘く見ていた。
ところが胃カメラよりかなり大きく、「飲み込んで」と言われても、
「こんなもの飲み込めるかよ」って感じで、四苦八苦してやっとのことで食道さんに入って行った。
その上、時間が長く、もう二度とご免って感じ。
後でわかったが、麻酔をして、寝ている間にやる方法もあったらしい。
心臓カテーテル
また、心臓カテーテルというのもあった。
手首の動脈からワイヤーを挿入して、それにそってチューブを挿入していき、造影剤を投入して、血管の写真を撮るというもののようだ。
まず右手首で行ったが、痛いのをさんざん我慢したところで、
医師が「ワイヤーが上がって行かないんですよ」と言う。
そう言われても……、私が悪いのかい?
そして、今度は左手で。
「いててて」と言い続けたのちに、「ワイヤーが上がりました」と。
ホッとすると、「チューブを入れます」
これがまた痛いではないか。
やっとのことで造影剤を投入し、胸のあたりが熱くなって、ガチャンと写真を撮って
「はい、お疲れ様」だと。
手術
この検査入院を経て、いったん退院し、再度入院して24日手術となった。
手術に当たって一番憂鬱だったのが、人工呼吸器を使用することだった。
母が、胆道癌の手術で人工呼吸器を挿入され大変そうだったので、「いやだなあ」と思っていた。
まあ仕方ないとあきらめた。
午前9時に手術室に入り、知らない間に終わり、ICU(集中治療室)で気づいたのが午後4時ごろだった。
ICU受け入れのところからついてくれた男性看護師さんが、実に優しく細やかに気の付く方だった。
看護師さんで大きな声で話しかける方(耳が遠いと思って大きな声なのか?)が時々いるが、
この看護師さんは、声も静かで邪魔にならず、グー!
人工呼吸器は次の日にとれて、やれやれ。
すぐにもリハビリの方がやってきて、ベッドに起き上がり、立ち上がるというエクササイズをさせられた。
麻酔の副作用?
私は6年前の大腸がんの手術の時から、麻酔の合併症なのか、
吐き気や、頭がおかしくなる兆候が出るようになり、今回もそれがしんどかった。
頭がおかしくなるというのは、麻酔からは醒めているが、完全に覚醒していない感じなのだ。
うとうとすると、つじつまの合わない、脈絡のないイメージが見えたり言葉が聞こえたりして、はっと目が覚め、またうとうとしてそれを繰り返す。
あるとき、前方に立っている医師と看護師さんが、突然天井に映って見えた。
これはヤバいと思った。
こんな経験は初めてだった。
手術後の食事
食事も次の日から出されたが、吐き気がして全く食べられなかった。
それでもおかゆを一匙食べ、
次の食事で二匙食べ、
次の食事で四匙食べ、というふうに、すごいスローペースで上げていった。
こんな調子で楽になる日が来るだろうか、と思っていたが、今まで経験した手術と同じように、
4日目ぐらいから人心地つき、
7日目の大みそかには、ずいぶん食べられるようになった。
回復するものなのだなあと、改めて、人間の身体がよくできていることを実感した。
しかし正直なところ、手術はこれで終わりにしたいと思う。
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