クリスマス・イブに心臓手術 その4 手術前の症状

heart 心臓の手術

   

まさか心臓が悪いなんて……

手術後の振り返り

 自分はがん体質だと思っていたので、心臓が悪いとは一度も思ったことがなかった。

だから、症状があったか? と聞かれても、「いや、別に」と答えた。

   

 手術が終わってから振り返ってみると、あれは心臓が悪いということのサインだったのかもしれない、と思うことがいくつかある。

   

 20年ほど前から、風邪かぜをひいているわけではないのに、せきが続くことが時々あった。

心臓がドキンとすると、それに気管が押されたかのように空咳からぜきが出る。

しばらく続くと、そのうち消え、また忘れたころにぶり返した。

   

 ストレスのせいだろうとか、更年期障害だろう、などと自己判断していた。

もしかしてこれは、心臓が何らかのサインを出していたのではないか、という気がしないでもない。

   

胃のあたりから何かが突き上げてくる

 10年ほど前のこと、寝ていると、胃のあたりからのどの方に向かって、何かが突き上げてくる。

痛いというか、苦しいというか、下から固まってくる感じだった。

しばらくすると収まった。

なんだろう?

食道の病気かなと思った。

   

 あるとき、通勤途中のバスの中でも同じことが起こった。

胸全体に固まる感じがしたが、やはりしばらくすると収まった。

   

 胃がんをわずらった友だちがおり、彼女が逆流性食道炎に悩まされていると言ったので、症状を聞くと、下から痛いのが上がってくると言う。

私も胃がんを経験しているので、あ、じゃあ、私のもそれかな? と勝手に思っていた。

今になってみると、心臓に関係があったのでは、という気がする。

   

息が上がる

 40代後半、少しでも上り傾斜のある道を歩くと、途端とたんに息が上がり、苦しくなるようになった。

周りの人に聞くと、「運動不足じゃない?」などと言われた。

   

 そうなのかな、なにか精神的なものなのかな、などと考えていたが、あまりにひどいのでついに受診。
   

すると、重度の貧血だった。

ヘモグロビン濃度が、標準では 12~13 ぐらいの値のところ、4.7 しかなく、驚かれた。

「男性は、女性より貧血に弱いから、もし男性だったら立てないですよ」と。

すぐに鉄剤を飲むなどの治療をし、坂も上がれるようになり、とても嬉しかった。

   

 そして1年ほど前、今まで普通に歩けていた少し上り坂の道を歩くと、息が上がり、途中で休みたくなった。

また貧血なのかなと思った。

しかし、定期健診の結果では貧血の所見はなかった。

   

 昨年の 11月半ば頃、職場で人と話しているとき、突然、走り終わったときのようにハーハーしてきて、「あれ? どうしたんだろう」と思ったが、これまた歳のせいだろうと片づけてしまった。

この息切れは、まさしく心臓が悲鳴ひめいを上げていたのだろう。

   

今回のことで思ったこと

 その1でも書いたが、心雑音については検診でたびたび医師の指摘はあったものの、検査の指示は無かった。

ただ、先に述べたような症状が出た、そのときに受診していたら、もう少し早く分かっていたかも知れない。

    

 また、両親とも癌で亡くし、自分も2回のがん経験があるため、癌の可能性ばかり考える傾向があった。

これも落とし穴だと思う。

   

 おかしいと思う症状があったとき、自己判断しないで医師にみてもらうこと。

健康診断は、あなどるべからず。
   

みなさまも、どうぞお気をつけください。

   

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