白髪染めをやめた

A woman who cares about gray hair 些事いろいろ

   
 いつのことだったろう。

白髪が出てきて、見つけては抜いていたのは。
   

そのうち気になりだして、ヘアマニキュアをしてもらった。

その最初が何歳だったのか、思い出せない。

48歳のときには始めていたと思う。
   

なぜそれほど白髪が多くないのに、髪全体にマニキュアをしたのかなあ。

記憶があいまいだ。

   
   

 白髪染めというのは、始めてしまうと、なかなかやめられないものだと思う。

髪が白いだけで、歳をとっているように見えるからだろう。

   

   

いつだったか、友だちとイタリアに行って、コロセオの入場料を払ったときのこと。

一人だけ白髪染めをしていない友だちがおり、彼女だけが「シニアか?」と聞かれた。

シニア料金を提示されたのだ。
   

また、それとは別の友だちだが

やはり染めていなくて、電車の中でしょっちゅう席を譲られている。

   
   

 私は、自分よりかなり若い方々と一緒に仕事をしていた。

年齢的にあまりにも大きなギャップを周囲に感じさせるのはどうかな、と気にしていた。
   

また、仕事で接する方々に、もっと若い人の方がいいなあという気持ちを抱かせるかも知れないとも思い、ずっと白髪染めを続けてきた。

   

   

 美容院でヘアマニキュアをすると、お金がかかる。

クラス会などに行くと、ほとんどの人は髪を染めており、中には自分で染めているという人もいた。
   

そうか、そうすれば安く済むかもと思ったりしたが、めんどくさがりの私は、高いお金を払って美容院でやってもらってきた。

長い間、ひと月半に1回の頻度で染めていたが、最後の1年間くらいは、月に1度だった。

   
   

 この度、心臓の手術をしたことで、長年続けてきた仕事を辞める踏ん切りがつき、ついでに白髪染めもきっぱりやめることにした。
   

   

 やめてから5か月たった。

真っ白なところ、グレーっぽいところ、まだ染が残っていて黒いところ、はげて赤茶けたところといろいろ混ざっている。

汚いと言えば汚いが、この感じにすっかり慣れてしまった。

というより、むしろ快適だ。

   

 染めた直後は、シャンプーしたときに、どうしてもタオルが黒っぽくなったり枕が汚れたりする。

それがなくなっただけでも気持ちがいい。
   

染めたばかりなのに、もうこの辺が白くなってきた、という不愉快感もなくなった。

美容院代も安くなった。
   

美容師さんは「すっかり自分の色になるまで1年はかかる」と言っていた。

そのときが楽しみだ。

   

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