高校1年のときだったと思う。
友だちが「ちょっと、これ見て」と週刊誌の最後の頁を開いて見せてくれた。
「いかすだろう。慶応ボーイだよ」
(女子だけど、こんな話し方をする子だった)
確かに超ハンサムで、さわやかな笑顔の青年が芝生の上に座っている。
加山雄三さんのデビュー当時の写真だった。
父上は二枚目俳優の上原謙さん、母上は小桜葉子さん。
小桜葉子さんはエリザベス・テーラーのように美しい方で、一時期テレビで、ご自身が考案した美容体操のようなものをしていたことがある。
母がファンで見ていた。
あるとき、ラジオの何という番組か忘れたが加山雄三さんが出ていて、「僕、歌を作ったんですよ」と言って、それを歌った。
英語の歌詞で「I love you, Yes I do But I don’t know how to tell you……」注 と。
ちょっとおかしくなってしまったが、メロディーは覚えやすくて感じがいいものだった。
ハワイの若大将
それからしばらくして、「君といつまでも」が大ヒットした。
初めて作ったと言って披露した歌と、メロディーラインがそっくりだったが、私は、あのラジオで聞いた歌の方が好きだなあと思っていた。
しかし、「君といつまでも」の陰に隠れて、あまり世に知られていなかったようだった。
大学生になってから、スキー場で「恋は紅いバラ」という歌が流れるのを聞き、「あ、あの歌じゃない!」と感動した。
「恋は紅いバラ」という名で世に出ていたのだ。
これこれ、これだよね。
でも、ラジオで聞いたときは全部英語の歌詞だったと思うが、「恋は紅いバラ」として仕上がっている歌は、一部英語で、ほとんどが日本語の歌詞になっていた。
あのラジオを聞いた人いないかなあ。
注 「DEDICATED」 作詞 弾 厚作(加山雄三ペンネーム)学生時代に作った曲
コメント