小学校4年生ぐらいのとき、叔母がレコードを持ってやってきた。
「〇〇さん(母のこと)と、一緒に聞きたいと思って」と。
それはSPというレコードだった。
曲はチャイコフスキーのピアノコンチェルト第1番。
1楽章だけだったように思うが、それでもレコードを何枚か取り換えた。
SPレコードは、ほんの短い時間しか録音できなかったのだ。
やがてLPという言葉がよく聞かれるようになった。
LPだと、ピアノコンチェルトも全楽章入る。
レコードをかけるときというのは、とても緊張したものだ。
まず、レコードの持ち方だ。
面に直接さわらないようにして、ふちとふちを掌で挟むようにする。
そして、そっとターンテーブルの上に載せる。
TN-3B-SE
次は針をレコード盤に置くときだ。
これが一番緊張する。
ガリガリとレコード盤を傷つけると大変だから、全神経を集中して、一発で溝の初めに針を置くようにした。
そして、少しの間があって音楽が流れ出す。
わくわくする瞬間だった。
自分のお金で初めて買ったLPは、ビートルズだった。
ドキドキしながら針を置いた。
ミスター・ムーンライトが飛び込んできたときの感動は忘れられない。
1960年代には、ジュークボックスというものをよく見かけた。
コインを入れて曲を選択すると
自動的にアームのようなものが選んだレコードをつまんでターンテーブルに載せ、音楽が流れ出すというものだった。
たしか、一曲10円ぐらいだったと思う。
スキー場の旅館のロビーや食堂などに置いてあったのを覚えている。
それでビートルズのア・ハード・デイズ・ナイトなどをかけて、みんなで踊ったものだ。
やがて、カセットテープの全盛期となり、ジュークボックスは見かけなくなった。
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