(家の敷地内に自生しているヤマユリ↑↑↑)
「三歩あるけば忘れる」と言われるニワトリは、あまり賢くない動物と思われているようだ。
しかし、この土地に移って約3か月の間、ニワトリの行動を目の当たりにして、いやいやそんなことはないよと実感した。
朝、夫が残飯をやりに小屋に行くと、3羽が集まって待ち構えている。
パパがおいしいものを持ってきてくれるということを、ちゃんと知っているのだ。
みなで寄ってきて、食べ始める。
残飯は、野菜くずや肉の切り落としたところ、魚の食べかすみたいなものだが、彼等、いや彼女たちはそれが大好物のようだ。
午後、外に出すために小屋の戸を開けてあげようと夫が裏口から出ていくと、その音を聞きつけて戸口にみなで寄って待っている。
戸が開くと、3羽が一斉に広場に出ていく。
お目当ては、広場の中に植えてある木苺の実だ。
実が落ちているところに最短距離で行ける細い道を、一列になって走って行く様子は、なんとも可愛らしい。
日中、日差しが強い間は、広場に植えてある大きな朴の木の下の陰にいて、涼みながら何かをついばんだり座ったりしている。
夕方になれば、自ら小屋に入っている。
最近、3羽のうちの1羽が別行動をしていることがちょくちょく見られていた。
他の2羽に比べて、少し弱々しい感じがした。
3日ほど前から、この1羽が餌を食べなくなり、皆が外に出ているときも、小屋の中にじっと座っていた。
そして、一昨日は1日中座っていた。
餌を食べずに。
昨日の朝、夫が「にわとり、死んだな」と言った。
……そうか。
小屋を見に行くと、昨日は小屋の真ん中辺に座っていたのに、なぜか小屋の隅っこで丸くなっていた。
自分で隅っこに移動したのか。
どうして?
自分のことが、わかっていたのだろうか。
にわとり広場の中に穴を掘って、埋めた。
顔が、体に埋もれるぐらいに小さくなっていた。
今まで、卵を産んでくれてありがとう。
残飯を食べてくれてありがとう。
合掌。
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